特色ある取り組みCharacteristic match
従来のリハビリテーション医療に加え、認知症・パーキンソン病・失語症専門外来・音楽療法・園芸療法、短時間通所リハビリテーションなどに力を注いでいます。
従来のリハビリテーション医療に加え、認知症・パーキンソン病・失語症専門外来・音楽療法・園芸療法、短時間通所リハビリテーションなどに力を注いでいます。
認知症疾患医療センターでは2012年7月から、作業療法士、理学療法士、園芸療法士、音楽療法士による外来リハビリテーションを行っています。
認知症を持つ人とそのご家族の方に対し、例えば着替えができない、トイレで失敗する、歩きにくいといった生活上の困難に対して練習やアドバイスをしています。
また、不安が強い、イライラする、気力がないといった症状に対して、気分の安定を図り、日中の活動性を向上するための作業活動や運動、対処方法について、また、介護保険申請のアドバイスを行います。
ご本人の能力や適切なケア、取り組むと良い課題などを担当ケアマネージャーや、地域包括支援センターと連携し、在宅生活をより安心安全に過ごせるようお手伝いしています。
2012年4月から、訪問看護を開始いたしました。生活の評価と改善が必要と判断されたものの
などの場合に、ご自宅へ看護師や、作業療法士がお伺いし、服薬管理を含む生活場面でのアドバイスや、リハビリテーションを行います。
当センター外来作業療法では、支援方法として「生活行為向上マネジメント」を用いています。生活行為向上マネジメントは、作業療法の治療手段である作業(occupation)が持つ「その人にとって意味のある作業・生活行為」に焦点をあて、生活行為の遂行障害を回復、向上させるための支援方法です1)。
1)岩瀬義昭ほか『作業の捉え方と評価・支援技術 生活行為の自律に向けたマネジメント』
医歯薬出版株式会社,2011年
患者様にとって意味のある作業を意識化し、支援の目標となる生活の目標を明らかにするために用います。
意味のある作業を問われても、答えにくい場合などに用います。
聞き取った作業を遂行することを阻害している要因を分析します。
具体的支援計画を立案します。
ご家族の方や介護支援専門員の方に、患者様のしたい作業やその能力を伝える場合に用います。
障害者病棟ではパーキンソン病患者様に対して、個別リハビリに加えて集団訓練をおこなっています。
その目的は、病気の理解や身体機能維持に留まらず、自分ひとりが悩んでいるのではない事を知り、仲間と共に頑張ろうと言う意欲に繋がります。
【集団訓練内容】集団訓練スケジュール表参照
運動プログラム→ダンス・ヨガ・発声練習・リズム運動
プール訓練
教育プログラム→疾患の理解・服薬指導・嚥下指導・排泄指導・調理訓練・栄養指導
【対象者】
日中の状態が安定しており、自己で歩行することができる方
日中の日常生活において、介助の必要がなく自己で行える方
精神的に安定している方
【その他】
① 集団訓練への参加可否は、入院後状態をみて決定させていただいております。
② 訓練時間は平日16時~17時で、土日祝日は休みとなります。
③ プール訓練には、1回300円必要です。
プール訓練の様子
医師による疾患の理解
排泄指導
調理訓練
音楽訓練
ヨガ
ダンス
お問い合わせ窓口
当院では、リハビリの導入によって、運動症状の改善、痛みの軽減、体力の維持はもちろん、病状の悪化を防ぎ、病気の進行を遅らせる可能性(神経保護作用)についても期待しています。
患者様の状態に応じて医師の指示のもと、理学療法・作業療法・言語聴覚療法・音楽療法・園芸療法・集団訓練を組み合わせながら、症状に合わせて個別の訓練プログラムを実施しています。
総合相談・地域連携室まで、入院リハビリご希望の方はお問い合わせください。
受診にて入院コースを決定します。
アメリカのLorraine Ramigたちが考案したパーキンソン病に対する訓練プログラムです。LSVTには、言語障害に対する「LSVT LOUD®」、運動障害に対する「LSVT BIG®」があります。
これらのプログラムは、必ず有資格者によって指導されます。 当院には、LSVT LOUD®資格者4名、LSVT BIG®資格者が7名が在籍しています(2019年9月現在)
「大きな声」を出すトレーニングを行い、日常生活においても「大きな声」が出せ持続することを目標とします。入院期間は約8週間となります。
当院もしくは他院にてLSVT LOUD®を経験したことがある方に短期間での調整を行います。入院期間は約3~4週間となります。
「大きな動作」を行うトレーニングを行い、日常生活においても「大きな動作」が行え持続することを目標とします。入院期間は約6週間となります。
当院もしくは他院にてLSVT BIG®を経験したことがある方に短期間での調整を行います。入院期間は約3~4週間となります。
総合相談・地域連携室まで、入院リハビリご希望の方はお問い合わせください。
受診にて入院コースを決定します。
当院では、失語症の方々への専門外来を行っています。
失語症は、脳卒中などの病気や事故の後遺症としておこるもので、単に「ことば」が話しにくくなるだけでなく、理解することや読み書きも不自由になる病気です。
この失語症の症状は、目に見えないだけに分かりにくい側面があり、よく理解せず素人判断で対応してしまうと、思わぬかたちで傷つけてしまったり、トラブルが生じてしまう怖れがあります。失語症の方が100人おられれば100人ともその症状も異なり、コミュニケーションの対応方法も、それぞれに異なります。
失語症専門外来では、言葉を中心としたコミュニケーション能力を正しく評価し、個々の患者様にとって最適な訓練を行っていきます。
また、ご家族の方に失語症を正しく理解していただくとともに、ご家庭で困っておられる事、疑問に思われている事を、ともに解決できるよう取り組んでいきます。
当院には、失語症に詳しい医師や言語聴覚士(ST)がそろっており、訓練施設・環境とも充実しております。
失語症の改善は比較的緩やかであり、訓練の効果が年単位に及ぶ場合もあります。
一般には脳卒中などの脳血管障害のリハビリは、医療保険にて原則発症から半年以内とされていますが、これを越えても改善が見込まれるケースなど、医師が必要性を認めればリハビリは継続可能です。
ことばの能力が低下してお困りの方、家庭内などでコミュニケーションが取れずにお困りの方など、発症からの日数に係わりなく、失語症専門外来を受診されてはいかがでしょうか。
なお、外来に来られた時は、『失語症専門外来に受診に来られた旨』を受付窓口にお伝えください。失語症外来の診療科は、脳神経内科および内科となります。
音楽の要素(リズム、ピッチ、ハーモニーなど)は脳に様々な刺激を与え、身体機能、発話、感情、認知機能の回復を促します。また音楽は言葉を超えて表現や創造を可能にし、癒しを促すとも言われています。当院では脳機能画像による研究を進めており、音楽が脳に与える影響や音楽を使った訓練が脳機能の再建、回復につながる可能性の検証を行っています(右図参照)。このように音楽の効果を科学的に検証しながらより効果的に音楽を使い、回復のサポート、精神的負担の軽減、意欲の向上につながるような訓練を提供しています。
兵庫県知事の認定を受けた園芸療法士が、医師の処方の下、患者様個々の病気やケガに対応したプログラムを立案し、個別または集団で訓練を実施します。
園芸療法では、花や野菜やハーブを育てたり、育ちをともに過ごすことで五感の知覚強化し、意識レベルや見当識の改善、身体機能や作業能力の改善をサポートします。
また、収穫した花や野菜やハーブを作品やお茶・料理などに活かすことで、ストレスや不安・痛み・疲労の軽減が期待でき、感情のコントロールを図ることで意志・意欲の改善が見込めます。
さらに、育てた花や野菜、創った作品を誰かに差し上げることで、達成感や誰かの役に立てたという自己有用感とともに他者への配慮や協調性が再形成でき、人と人との関わり方を紡ぎ直す練習の場となります。
園芸療法では、現在そのエビデンスを目的に、軽微で簡便な園芸作業と精神的ストレス低減の関係や植物の香りと精神的ストレス低減の関係について検証を進めています。
病院を退院後も、週2回程度、短時間のリハビリを受けたいという方に、介護保険を利用した『短時間通所リハビリテーション』を実施しております。
ご利用するにはいくつかの条件がございますので、下記ページでご確認の上お申し込みください。